キーエンスといえば、国内トップクラスの給与水準として知られる「平均年収2000万円超」という数字が常に話題に上る。しかし、この高報酬は単なる気前の良さではなく、極めて精緻に組まれたインセンティブ設計の結果に過ぎない。
同社では営業利益の一定割合を四半期ごとに社員へ業績賞与としてダイレクトに還元する仕組みを確立している。会社が稼げば社員の報酬も跳ね上がる。この極めて透明性の高い構造が、全社的な当事者意識を生み出している。さらに社内には役職呼称がなく、社長から若手社員まで全員が「さん付け」で呼び合うオープンな文化が徹底されている。派閥や社内政治を徹底的に排除し、「誰が言ったかではなく、何を言ったか」という合理性のみを判断軸に置くフラットな職場環境が、社員の潜在能力を極限まで引き出している。