浅草の変貌を象徴するもう一つの決定的な転換点が、初夏を彩る「三社祭」における暴力団排除です。かつての三社祭では、暴力団関係者が神輿の上によじ登って刺青を誇示し、自派の勢力を誇示する光景が一部で見られ、治安上の大きな懸念材料となっていました。
事態を重く見た浅草神社奉賛会と警視庁浅草警察署は、平成後期から対策を抜本的に刷新。神輿に乗る行為自体の禁止、暴力団関係者の同好会排除、条例に基づく違反者の即時検挙を矢継ぎ早に打ち出しました。現場では私服警官が厳重な警備網を敷き、違反者には即座に退去命令や逮捕といった強硬措置が取られるようになりました。
現在では、神輿渡御の担ぎ手に対する事前登録制や身元確認が定着し、伝統の祭りとしての品格と安全性が完全に回復しています。「昔の荒々しい祭りが懐かしい」と懐古主義的に語る声がネット上の一部で見られるものの、家族連れやインバウンドが安心して参加できる文化行事へと脱皮を遂げた実績は、地域社会の治安維持モデルとして国内外から高く評価されています。