ジャンルだけを見れば演歌とオルタナティヴ・ロックは対極に位置するように思える。しかし、Takaの歌唱表現を深く観察すると、そこには両親から確かに受け継がれた天性の才能が息づいている。森進一が持つハスキーで聴く者の心を絞り出すような情感豊かな声質、そして森昌子が誇る圧倒的な音程感と澄み切ったビブラート。そのふたつの要素が見事に融合し、唯一無二のボーカルスタイルが誕生した。
ステージ上で魅せる魂の叫びや、メロディに乗せる一音一音のディテールへのこだわりは、まさしく演歌の真髄と通底している。激しい重低音が響くロックサウンドの上で、どれほど激しくシャウトしても決して崩れないピッチと際立つ存在感。名実ともに世界を挑発するボーカリストとなった根底には、幼少期から家庭内にあふれていた本物の音楽体験が深く刻まれているのだ。