トラウマインフォームドケアの全貌|現場を変革する4つの原則と実践

トラウマインフォームドケアの全貌|現場を変革する4つの原則と実践

トラウマインフォームドケアの全貌|現場を変革する4つの原則と実践に関する深掘り解説を詳しく解説いたします。

Q1:トラウマインフォームドケア(TIC)と通常の心理療法の違いは何ですか?
A1:心理療法(EMDRやトラウマ焦点化認知行動療法など)は、専門の心理士や医師がトラウマの記憶そのものを直接処理・軽減するための「特定の治療技術」です。一方、TICはトラウマの治療法ではなく、受付スタッフから看護師、施設長まで、あらゆる関係者が「トラウマの影響に配慮した環境と関わり方」を提供する組織全体の「支援の土台・スタンス」を指します。

Q2:学校や職場で一般の教員・上司が実践する際の最初のステップは何ですか?
A2:第一歩は「予測可能性」と「選択肢」を提供することです。予定の急な変更を避け、これから何が起こるかを事前に明確に伝えること。そして「これをやりなさい」と強制するのではなく、「AとBのどちらから進めるか?」といった小さな自己決定の機会を相手に委ねることで、当事者の脅かされたコントロール感と安心感を回復させることができます。

Q3:支援対象者がトラウマを抱えているかどうか、直接本人に尋ねてもよいのでしょうか?
A3:安易に過去のトラウマを尋ねることは厳禁です。不用意な問いかけは再トラウマ化を招く極めて危険な行為となります。TICの本質は「トラウマの有無や詳細を聞き出すこと」ではなく、「目の前の人が何らかの重大なトラウマを抱えているかもしれない」という前提(普遍的予防策)に立ち、詳細を知らないままでも安全で尊厳ある接遇を徹底することにあります。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。