「ステロイドは薄く伸ばして少しだけ塗る」と思い込んでいる方が多いですが、これは治療の長期化を招く典型的な誤解です。塗布量が少なすぎると十分な抗炎症効果が得られず、ダラダラと長期間塗り続けることになり、かえって副作用のリスクを高めます。
皮膚科学会が推奨する適量の国際基準がFTU(Finger Tip Unit:フィンガーチップユニット)です。
大人の人差し指の先端から第1関節までチューブから出した量(約0.5g)が「1FTU」に相当します。この1FTUで、大人の手のひら2枚分の面積に塗布するのが適量です。患部にすり込まず、皮膚の上にティッシュペーパーが1枚張り付く程度、あるいは光を当てるとテカる程度の厚みで優しく乗せるように塗るのが正しい手順です。
ステロイド外用薬の主な局所的副作用には、以下のようなものがあります。
- 皮膚萎縮(皮膚が薄くなる)
- 毛細血管拡張(赤ら顔のようになる)
- ステロイド痤瘡(ニキビのような発疹ができる)
- 局所的な免疫低下による細菌・真菌感染(とびひ、水虫、ヘルペスなどの悪化)
これらの副作用は、強すぎるランクを長期間(数週間〜数ヶ月)漫然と塗り続けた場合に発生するものが大半です。適切な強さの薬剤を適切な量で短期間(数日〜1週間程度)しっかり塗布し、症状が引いたら徐々に使用頻度を減らすステップを踏めば、重篤な副作用を恐れる必要はありません。