熱狂的なファンを持つ一方で、実際の使用感や日常の取り回しについては賛否両論が交錯する。大手ECモールのレビュー欄、文具コミュニティ、SNS上で交わされている生の声から、現場の実態を検証した。
まず圧倒的に多いポジティブな評価は、質感と精神的満足度に関するものだ。
「プラスチック芯ケースの安っぽさがずっと気になっていたが、これに替えてからデスクの格が一気に上がった」「真鍮特有の鈍い輝きが、使い込むうちに自分だけの色合いに育っていく過程がたまらない」「キャップを閉めるときのネジの精度が高く、工作精度の高さに毎回惚れ惚れする」といった声が目立つ。中には「仕事の合間に手の中で転がしているだけで不思議と集中力が高まる」という、フィジェットトイ(手遊び具)のようなリラクゼーション効果を挙げるユーザーも少なくない。
一方で、手放しの絶賛ばかりではない。リアルなデメリットとして以下の指摘が散見される。
「ペンケースに入れると、他の高級万年筆や木軸ペンに金属がぶつかって傷がつかないかヒヤヒヤする」「替芯を1本だけ取り出したいときに、口径の加減でドバッと数本滑り出てしまうことがある」「夏場に汗をかいた手で触ると、真鍮特有の金属臭(鉄分と皮脂の反応臭)が指に残る」といった点だ。これらは製品の欠陥というよりも、無垢の金属素材が持つ不可避な物理特性である。利便性最優先の現代文具とは異なる、「道具に少しの手間と気遣いを払うスタンス」が求められる実態が浮き彫りになっている。