浦島という名が持つ歴史的価値は重い。勝浦の海と一体化したような露天風呂は、一度訪れた者を魅了して止まない唯一無二の資産だ。しかし、伝統を守るだけでは生き残れない。今、現場で進んでいるのは「温故知新」の徹底だ。歴史ある建築意匠を守りつつ、裏方の設備には環境負荷を抑えた最新の省エネシステムが組み込まれている。
さらに、地元の新鮮なマグロをはじめとする南紀の味覚を楽しめるバイキング会場もリニューアルされた。ライブキッチン空間の拡充や、アレルギー対応の細分化など、多様化する食のニーズに応える工夫が凝らされている。伝統の温泉情緒と現代的な機能美のバランスをいかに取るか。その模索は今も続いている。