根も葉もない「離婚説」がなぜ消えずに検索され続けるのか。取材班は情報流通のメカニズムから、以下の3つの構造的要因を突き止めました。
第1に、他社マルチ商法トップや有名実業家の離婚劇との混同です。連鎖販売取引(ネットワークビジネス)業界では、過去に他社のカリスマ経営者や大物ディストリビューターの私生活トラブル、巨額の慰謝料を巡る裁判がワイドショーを騒がせた事例が複数あります。記憶の混濁したネットユーザーが「あの健康食品会社の社長が離婚したはず」と曖昧な記憶で検索を重ねた結果、三基商事のキーワードと誤認結合された経緯があります。
第2に、テレビCM出演者や関係者の私生活報道からの類推です。ミキプルーンといえば、半世紀近くにわたりブランドの顔を務める中井貴一氏のイメージが国民に定着しています。芸能人の家庭事情や独立報道がネットニュースを賑わせるたびに、CM契約元である企業名とともに検索ワードが交錯し、いつしか「社長の私生活」へと文脈がすり替えられていった痕跡が確認できます。
第3に、オーナー一族の事業承継と資産管理に関する業界内の憶測です。創業から半世紀以上が経過した老舗企業にとって、代替わりや株の承継は最大の経営課題です。門田家内部での資産分配や世代交代の動向が業界筋で囁かれる際、伝言ゲームのように話が歪められ、末端で「家庭内不和」「離婚による財産分与」といった扇情的な尾ひれが付いて拡散したと考えられます。