ネット上で長年囁かれてきた最大の誤解が、「かぎ針編みの靴下は実用性に乏しく、履くためのものではなくただの飾りである」という偏見です。確かに、革靴や細身のパンプスに合わせるドレスソックスとしては、メリヤス仕立ての機械編みや極細棒針編みに軍配が上がります。しかし、ライフスタイルの現場に目を向ければ、評価は正反対となります。
第一に、目がぎっしりと詰まるかぎ針編みは、床からの冷気を遮断する防寒性・クッション性において棒針編みを圧倒します。底冷えするフローリングの上で過ごすデスクワークやリラックスタイムにおいて、厚みのあるかぎ針編みソックスは高機能な室内履きとして無類の快適さを発揮します。
第二に、編み進めるスピードの速さです。棒針で靴下を一足編み上げるのに1週間を要する初心者であっても、かぎ針を用いれば週末の数時間から半日程度で両足を完成させることが珍しくありません。このスピード感と「穴が開いてもピンポイントでほどいて補修しやすい」という可変性は、実用品として極めて大きなアドバンテージです。