スクリーンの外側に目を向ければ、リビングルームの主権争いも極限状態にある。Netflixは巨匠監督のオリジナル作品や世界的ベストセラーの映像化を惜しみなく投入し、映画祭を席巻するクオリティを担保しながら視聴者のタイムラインを占拠する。対するAmazon Prime Videoは、膨大な製作費を注ぎ込んだ骨太なアクションやローカル市場に根ざした独自企画で勝負を挑む。
そしてファミリー層とコアなポップカルチャー層をガッチリと掴んで離さないDisney+の存在感も揺るぎない。劇場公開から配信までのウィンドウ期間が柔軟化する中で、配信限定作品がアカデミー賞の主要部門を脅かす光景はもはや日常となった。観客は「映画館で観るべき体験」と「自宅で深く味わう物語」を明確に使い分け始めている。