彼女の足跡を振り返る時、誰もがその異例のスピード感に目を見張る。地元・佐賀県での少年少女合唱団や各種コンテストでの活動を経て、全国区のオーディションで一気に脚光を浴びた。並み居る実力者を抑えて勝ち取った本格的な初舞台でのヒロイン役。それは、奇跡の始まりに過ぎなかった。
彗星のごとく現れた少女は、初演のステージからすでに唯一無二の光を放っていた。澄み渡る伸びやかなハイトーン、歌詞のひとすじにまで感情を宿らせる緻密な役作り。批評家たちを唸らせたその天性の才能は、一過性のブームではなく、確かな努力と探求心に裏打ちされた本物の実力であったことを、その後の活躍が雄弁に物語っている。