天然芝と黒土、独特の気流が渦巻く阪神甲子園球場と、精密に管理された人工芝と空調設備を持つバンテリンドーム ナゴヤでは、同じ対戦カードであっても求められる戦術が根本から異なります。
甲子園におけるナイトゲームでは、ライトからレフトへ吹き抜ける強い浜風が左打者のフライ性の打球を押し戻す現象が日常茶飯事です。そのため、阪神の投手陣は低めにボールを集めてゴロを打たせる配球を徹底し、内野守備陣のポジショニングが極めて緻密に設計されています。スタンドを埋め尽くす黄色いメガホンの地鳴りのような歓声は、ビジターの中日ナインに強烈な心理的負荷をかけます。
一方、バンテリンドームでは外野の間を抜ける長打コースをいかに防ぐかが鍵を握ります。中日自慢の俊足外野陣による広い守備範囲と正確な中継プレーは、阪神の積極的な次の塁を狙う走塁意識と真っ向から衝突します。現地観戦者の手記やSNS上の投稿でも、「バンテリンでの阪神戦は外野フェンス際のファインプレーひとつでスタジアムの空気が一瞬で凍りつく」「甲子園とは異なる独特の重圧感がある」といった生々しい体験談が多く寄せられています。