騒乱の舞台となったのは、岐阜県岐阜市に位置する「あきんどスシロー 岐阜正木店」でした。2023年1月下旬、SNSのタイムラインに突如として投稿された数十秒の動画は、目撃した人々に強い生理的嫌悪感と不信感を植え付けました。
動画に映っていたのは、金髪混じりの少年が周囲を伺いながら卓上の醤油さしの注ぎ口を舌で舐め回し、さらに未使用の湯呑みの縁を一周舐めて元のスタックへ戻す姿でした。それだけに留まらず、指に自らの唾液を付着させ、回転レーン上を流れる他人の寿司ネタに擦り付けるという常軌を逸した悪質な手口が克明に記録されていたのです。
このスシロー炎上動画拡散の真相を検証すると、発端はInstagramの「親しい友達」限定ストーリーズへの投稿でした。友人グループ内でのウケ狙い、いわゆる「内輪ノリの悪ふざけ」として共有された動画でしたが、グループ内の誰かが画面録画を行い、外部の動画共有プラットフォームやX(旧Twitter)へ転載。著名なインフルエンサーによる拡散を媒介として、わずか数時間で数千万回再生を記録する大炎上へと一気に跳ね上がりました。
ネット社会の拡散スピードは、少年の浅はかな計算を遥かに凌駕していました。「仲間内だけの秘密」という閉鎖的な甘えは、デジタルタトゥーとなって全世界へ晒し出され、外食産業全体を揺るがす大事件へと転がり落ちていったのです。