名古屋市内を午前中に出発し、東海北陸自動車道を北上してひるがの高原ICを降りると、車の窓から吹き込む空気の質が劇的に変わることに気づく。下界の蒸し暑さが嘘のように吹き飛び、肌をなでる風はひんやりと心地よい。標高が100メートル上がるごとに気温は約0.6度下がると言われるが、標高900mに位置するこのエリアは、真夏でも都市部より5〜7度以上気温が低い。まさに「天然のエアコン」が効いた別世界だ。
広大な敷地内には針葉樹と広葉樹が複雑に入り交じり、濃密な森林浴効果(フィトンチッド)があたり一面に漂う。木漏れ日が地面に描く光の模様を眺めながら深く息を吸い込むだけで、日頃のデスクワークやスマホの画面越しに蓄積された脳の疲労が、スッと溶け出していくのを感じられるはずだ。