プレゼント・マイクを語る上で欠かせないのが、雄英高校の同僚であり学生時代からの大親友である相澤消太(イレイザー・ヘッド)との関係性です。性格は正反対で、常に前へ出て場を盛り上げる山田ひざしに対し、相澤は目立つことを嫌い合理性を重んじる陰の気質を持っています。しかし、実は「相澤消太」に「イレイザー・ヘッド」というヒーロー名を名付けたのは学生時代の山田ひざしでした。
彼らの絆を決定づけたのは、雄英高校時代に共にヒーローを目指していたもう一人の親友、白雲朧(しらくも おぼろ)の存在です。公式スピンオフ『ヴィジランテ -僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-』および本編で詳細に描かれた通り、3人は将来共にヒーロー事務所を立ち上げる夢を抱いていました。しかし、高校2年の校外活動中に起きた敵(ヴィラン)との戦闘で、白雲は崩落する瓦礫から子供たちを庇い、命を落としてしまいます。
この悲劇は相澤の心に深い傷を残しましたが、山田ひざしもまた大きな痛みを背負いました。そして物語中盤、敵連合の脳無「黒霧(くろぎり)」の素体が、かつて死亡したはずの白雲朧の遺体から作られていたという戦慄の真実が判明します。
タルタロス刑務所での黒霧尋問シーンにおいて、吉野裕行さんが見せた演技は圧巻でした。いつものラジオDJ風の軽妙さは完全に消え去り、震える声で親友の魂に呼びかける姿、そして相澤の痛みに寄り添いながら怒りと悲痛を滲ませる生々しい叫びは、SNS上でも「吉野さんのシリアスな演技に涙が止まらない」「マイクの明るさの裏にある覚悟を感じた」と大きな話題を呼びました。