ゴルフ場で配備が進む電磁誘導カートは、路面に埋設された電磁線を感知して自動走行し、リモコンひとつで発進・停止ができる利便性を誇ります。しかし、この「自動運転」という響きがもたらす過度の安心感こそが、重大インシデントを招く最大のトリガーとなっています。報道各社の取材データや業界関係者の証言によると、リモコンによる遠隔操作時、カートの進行方向にいる同乗者や先行プレーヤーの存在を見落とし、崖下への転落やカートと障害物の間に体が挟まれる事故が定期的に発生しています。
電磁誘導カートの車重はバッテリーを含めて400kgから500kg前後に達します。最高速度が時速10km前後に制御されているとはいえ、半トンの質量が傾斜地で慣性を伴って動けば、人間の力で押し止めることは不可能です。さらに、センサーが感知しきれない急カーブの死角や、雨で濡れた芝生路面でのスリップが重なることで、搭乗者が予期せぬ挙動を起こし、そのままコース脇の急斜面へ転落する悲劇を招いています。
コース設計自体の経年劣化も無視できません。オープンから数十年が経過した山岳・丘陵コースでは、樹木の成長や降雨による路肩の崩落リスクが潜んでおり、電磁誘導線が敷設されたカート道路のすぐ脇が断崖絶壁になっている場所も散見されます。目視確認を怠ったリモコン発進や、停止バーの誤検知といったヒューマンエラーとインフラ側の脆弱性が連鎖した瞬間に、回避不能な惨劇が発生しているのが現実です。