コンクールや自由研究に取り組む際、最も多くの人が混同するのが「発明」と「創意工夫」の違いです。特許法第2条において、発明は「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義されています。つまり、これまで世の中に存在しなかった新しい仕組みや原理そのものを生み出す行為を指します。
一方、「工夫」とは、すでに存在しているモノや仕組みに対して、知恵を絞って使い勝手を向上させたり、別の用途に転用したりする改善活動です。そして「創意工夫」とは、そこに自分ならではの新しい着想(創意)を盛り込み、実用的な形に落とし込むプロセスを意味します。
全日本学生児童発明くふう展をはじめとする各種コンペティションの審査員が重視するのは、決してノーベル賞級の新原理ではありません。「誰の、どんな困りごとを、どう解決したか」という着眼点の独自性と論理的な解決ステップです。既存の牛乳パックやペットボトルに1箇所の切れ込みを入れただけで劇的に使いやすくなるような作品が、何万円もかけたハイテク工作を抑えて最高賞に輝く背景には、まさにこの創意工夫の本質が存在しています。