熱が上がったり下がったりする原因は?大人の微熱や子供の再発熱についての真相をご紹介します。
臨床医学において、体温の変動リズムは疾患を特定するための極めて重要な情報源です。発熱の推移パターンは主に弛張熱(しちょうねつ)、間欠熱(かんけつねつ)、稽留熱(けいりゅうねつ)の3つに大別されます。日内変動が1度以上あるものの平熱までは下がらない状態を弛張熱と呼び、日内変動で一時的に平熱(37度未満)まで下がる時間帯がある状態を間欠熱と定義します。
ウイルス感染症の多くは数日で解熱に向かいますが、日によって高熱と平熱を繰り返す場合は、体内で炎症と免疫反応が激しくせめぎ合っている証拠です。日本感染症学会などのガイドラインでも、熱型の推移を把握することが確定診断への第一歩と位置づけられています。
発熱パターン(熱型)体温変動の特徴疑われる主な代表疾患臨床現場での警戒レベル弛張熱(しちょうねつ)1日の体温差が1度以上あるが、最低体温でも平熱まで下がらない敗血症、肝膿瘍などの重症細菌感染症、悪性腫瘍、膠原病【高】早期の血液検査・画像精査が必須間欠熱(かんけつねつ)1日のうち高熱が出る時間と、平熱(37度未満)に戻る時間がある急性腎盂腎炎、マラリア、感染性心内膜炎、一部の結核【中〜高】細菌巣の特定と抗菌薬治療が必要稽留熱(けいりゅうねつ)高熱(おおむね38度以上)が持続し、1日の変動幅が1度以内大葉性肺炎、腸チフス、粟粒結核、重症ウイルス感染症【極めて高】緊急の全身管理を要する周期熱・波状熱数日から数週間の発熱期と無熱期が周期的に交互に現れる自己炎症性疾患(PFAPA症候群等)、ホジキンリンパ腫【専門精査】大学病院等での遺伝子・免疫精査