「財閥とは」という問いを一言で定義するなら、「単一の同族家族(創業者一族)の排他的な出資によって設立された本社(持株会社)が、金融・鉱山・製造・商業など多岐にわたる産業を縦横に支配した巨大独占複合体」を指します。単に規模が大きい大企業集団を意味する言葉ではありません。
明治維新期から第二次世界大戦終結にかけて形成された日本の財閥は、頂点に立つ一族の「家長」または「一族会議」が絶対的な人事権・資本権を握り、直系企業(子会社)および傍系企業(孫会社)へ資金と指令を行き渡らせる垂直統合型のピラミッド構造をとっていました。
この組織形態が成立した背景には、欧米列強に追いつくための「富国強兵」「殖産興業」という国家方針がありました。明治政府から官営事業(鉱山や造船所など)の払い下げを受けた政商たちが、自前の銀行(金融機関)を設立して莫大な預金を集め、その資本を重化学工業や海運・商社へ注ぎ込むことで、驚異的なスピードで事業を拡張していった歴史的経緯があります。