「若い頃は真夏のスポーツも平気だったのに、ここ1〜2年で急激に暑さが耐えられなくなった」という声が急増しています。このような急に暑さに弱くなった理由の背景には、生理的な老化現象にとどまらず、放置してはならない暑さに弱い病気のサインが潜んでいるケースが少なくありません。
まず疑うべきは、内分泌系の疾患である甲状腺機能亢進症と暑がりの相関関係です。代表疾患であるバセドウ病などでは、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで全身の細胞の代謝が異常に活発化します。常に全力疾走しているような状態が続くため、何もしなくても大量の熱が体内で産生され、激しい動悸、手の震え、異常な発汗、体重減少を伴いながら耐え難い暑さを自覚します。20代〜40代の女性に好発しますが、単なる夏バテや体質変化と自己判断して発見が遅れる事例が医療現場から多数報告されています。
40代以降の男女において極めて多いのが、更年期障害によるホットフラッシュです。女性の場合はエストロゲンの急激な減少、男性の場合はテストステロンの低下により、脳の視床下部にある自律神経中枢がパニックを起こします。外気温の急激な変化とは無関係に、突然顔面がカーッと熱くなり、上半身に激しい発汗が起きる一方、足先は冷え切っているといった特有のアンバランスが生じます。急激な耐暑性の低下を感じた際は、血液検査で甲状腺機能(TSH, FT4)やホルモン濃度の測定を受けることが賢明な判断です。