事件が起きたのは1986年。舞台はアフリカのケニア共和国だった。女優の松島トモ子は、現地で撮影されていたネイチャードキュメンタリー番組の取材でアフリカの大自然へと足を踏み入れた。
撮影隊が狙っていたのは、野生動物と人間との密着映像である。だが、相手は人間になれ親しんだペットではない。百獣の王と呼ばれる本物の野生動物だ。
スタッフの制止や現地のガイドがいたにもかかわらず、突如として幼少期から飼育されていたはずのライオンが野生の本能を剥き出しにし、彼女へ襲いかかった。喉元を狙う鋭い牙。一瞬の油断が命取りとなるサファリの過酷な現実が、カメラの目の前で現実のものとなったのだ。