『俺たちの旅』で国民的ヒロインとなった後も、金沢碧さんは清純派のイメージにとどまることなく、着実に演技の幅を広げていきました。
映画界では、横溝正史原作のおどろおどろしい世界観を描いた『悪魔が来りて笛を吹く』(1979年)に出演し、複雑な宿命を背負った女性を見事に演じ切りました。また、大ヒットシリーズ『トラック野郎・熱風5000キロ』(1979年)や、松田優作さん主演のハードボイルド名作『野獣死すべし』(1980年)など、日本映画史に残る重要作へ次々と名を連ねています。
テレビ界においても、2時間サスペンスの草分けである『火曜サスペンス劇場』や『土曜ワイド劇場』の常連として活躍。さらに『水戸黄門』『大岡越前』『暴れん坊将軍』といった時代劇では、芯の強い武家の娘や儚げな町娘など多彩な役柄を演じ分け、日本のお茶の間に欠かせない実力派女優としての地位を不動のものにしました。