『女のみち』の歌詞の意味を紐解くと、作詞を手掛けた宮史郎自身の人間観察眼と、作曲を担当した並木ひろしの流麗な旋律が見事に融合していることが分かります。
冒頭の「私がささげた その人に あなただけよと すがって泣いた」というフレーズに象徴されるように、描かれているのは愛する男に裏切られ、捨てられながらも、なお一途に想い続けようとする女性の情念と悲哀です。自らの運命を呪うのではなく、「女の意地」や「生きてゆく覚悟」へと昇華させていく物語構造が、当時の多くの女性たちの涙を誘いました。
当時のインタビューで宮史郎は、「夜の酒場で出会った数え切れない女性たちの愚痴や涙、その健気な生き様をそのまま言葉にした」と回想しています。作り物のフィクションではなく、現場のリアルな息遣いをそのまま歌詞に落とし込んだからこそ、半世紀を超えても色褪せないリアリティが宿っています。