川崎の孤独のグルメを語る上で外せないもう一つの巨頭が、東急田園都市線・宮前平駅の坂の上にあるとんかつ しお田です。Season5第10話で五郎が平らげた「フィンレかつ(ヒレかつ)」と「豚肉塩焼き御膳」は、多くのとんかつマニアをも唸らせてきました。
店主が低温と高温の油を使い分け、じっくりと時間をかけて揚げる肉は、驚くほど柔らかくジューシーです。すりおろしニンニクが効いた豚肉塩焼きのパンチ力も圧倒的で、白米が止まらなくなる仕掛けが見事に完成されています。丁寧な仕事を守るため1回の揚げ時間には約15分から20分を要しますが、待つ価値のある極上の食体験が約束されています。
一方、東急東横線の新丸子駅前に鎮座する三ちゃん食堂(Season2第1話)は、五郎が「昼間からこの活気、素晴らしいじゃないか」と圧倒された大衆中華・食堂の殿堂です。壁一面に短冊メニューが並び、名物の「ネギ肉イタメ」や「チーズ入りウインナー」を肴に地元の呑兵衛が語らう空間は、まさに昭和の社交場です。
お酒を飲まない五郎のように、定食感覚でラーメンやチャーハンを頼む一人客も自然に受け入れる懐の深さがあり、武蔵小杉周辺の再開発が進む中でも、下町の温もりを色濃く残しています。