もちろん、コンテンツとしてのラーメン自体のクオリティも妥協がない。豚骨の旨味が限界まで凝縮された乳化スープに、噛みごたえ抜群のオーション麺。これらが渾然一体となった一杯は、中毒性が極めて高い。しかし、それ以上に人々を引きつけるのは、店員と客、あるいは客同士の間に生まれる「共犯関係」のような連帯感だ。
「ただのラーメン屋なら、札幌には星の数ほどある」と、フードジャーナリストは分析する。「しかし、食事という行為を『体験』にまで昇華させ、顧客同士を緩やかにつなぐプラットフォームとしての役割を果たしている店は極めて稀だ。ここは、胃袋を満たすと同時に、孤独を癒やす場所なのだ」。