時差の計算方法を理解していても、アメリカ特有の地域事情によって思わぬトラブルに巻き込まれるケースがあります。特に注意すべき実務上の落とし穴を3点挙げます。
① アリゾナ州の「サマータイム不採用」ルール
アメリカ全土でサマータイムが導入されているわけではありません。代表例がグランドキャニオンなどを擁するアリゾナ州です。アリゾナ州の大部分では年間を通じてサマータイムを実施しないため、夏の間は山岳部時間(MST)のまま据え置かれ、実質的に隣のカリフォルニア州(太平洋夏時間:PDT)と全く同じ時間になります。ただし、州内にあるナバホ・ネイション(先住民族居留地)ではサマータイムを導入しているため、州内を車で移動するだけでも時間が変わる特殊な状況が存在します。
② カレンダー予約やZoom会議の「タイムゾーン指定」ミス
GoogleカレンダーやOutlookで国際会議を設定する際、相手の都市名を指定せずに「US Time」などと曖昧に設定すると、東部(ET)と太平洋(PT)の間にある3時間のズレでミーティングをすっぽかす原因になります。「EST(東部冬時間)」「EDT(東部夏時間)」など、末尾の「S(Standard)」と「D(Daylight)」の違いまで確認する習慣が安全です。
③ 航空券の日付跨ぎトラブル
日本からアメリカへ向かうフライトは、日付変更線を東向きに越えるため、「日本を出発した日の朝や昼に、出発日と同じ日の朝に着く」という現象が起きます。逆にアメリカから日本へ帰国するフライトは、日付が翌日または翌々日に進みます。ホテルのチェックイン日やレンタカーの予約日を間違えて1日ズレて手配してしまうトラブルが後を絶ちません。