松田名作の魅力を語る上で絶対に外せないのが、キャラクターボイスを担当するお笑いコンビ「なすなかにし」の那須晃行(なす あきゆき)さんの存在です。
本作のプレスコ(先に音声を収録し、後から作画を行う手法)において、那須さんのツッコミはまさに職人芸の領域に達しています。相方の中西茂樹さん(スウィーツ役)をはじめ、うしろシティの金子学さん(むすび役)、阿諏訪泰義さん(ノキオ役)、さらには声優の小野賢章さん(ボルト役)や江口拓也さん(つる公役)といった豪華キャスト陣が繰り出す変幻自在のアドリブに対し、那須さんは一切怯むことなく、コンマ数秒の狂いもない完璧なテンポで言葉を返していきます。
制作現場の裏話としても名高いのが、台本に書かれたセリフを超えた「生きた掛け合い」です。芸人同士の阿吽の呼吸と、一流声優陣の演技力がぶつかり合うアフレコ現場において、那須さんは喉を枯らしながら何十テイクもの高速ツッコミをこなしていたといいます。計算された間合いと、感情がリアルに乗った声のトーンがあるからこそ、松田名作のツッコミは何度聴いても飽きない爽快感を生み出しています。