編集部は2026年1月から3月にかけて、20代から60代の男女312名を対象に、「温かいお言葉を受けて、それが本心か社交辞令か判断に迷った経験」についてオンラインアンケートとインタビューを実施した。その結果、実に全体の72.4%が「迷った経験がある」と回答し、そのうち「社交辞令だったと後で判明した経験がある」と答えたのは41.3%に上った。
ここでは、特徴的だった声をいくつか紹介する。
「上司から『本当に君の仕事は丁寧だね』と言われた翌週、改善点を10項目も指摘された。あの言葉は、今思えば批判のクッションだった」(30代・男性・IT関連)
「取引先の担当者から『温かいお言葉をいただき感激しました』とメールをいただき、いい関係が築けたと思った。でも、その後の商談で先方から値引きを要求され、あの言葉は単なる前振りだったと気づいた」(40代・女性・営業職)
「義母から葬儀の後に『本当にいい子だね』と言われた。普段は厳しい人だったので、あの言葉が本心だったのか、それともその場の雰囲気に流されたのか、今でもわからない」(50代・女性・主婦)
一方で、「これは本心だと確信できた」というケースに共通していたのは、先述した「具体性」と「その後の行動」だった。ある20代の女性会社員は、取引先の年配の役員から「先日のプレゼン、最後の質疑であなたが答えた場面が一番印象に残っている。あんなに堂々と答える若い人は珍しい」と言われ、その後、別の大きなプロジェクトに推薦された経験を語る。「言葉のあとに、実際の行動で証明してくれた。あれは本心だったんだと思う」と彼女は振り返った。
これらの声が示すのは、多くの人が「温かいお言葉」という言葉そのものではなく、その言葉と現実の行動との整合性を無意識に検証しているという心理的事実である。そして、その検証に耐えうる言葉こそが、真に「温かいお言葉」と呼ぶに値するのだろう。