小学校低学年の児童を受け持つ現役教諭への取材によると、小学2年生が読書感想文でフリーズする最大の要因は「文字数の多さへの恐怖」と「あらすじの要約への固執」です。文部科学省の学習指導要領において、低学年の国語では「感じたことや想像したことを書く」ことが重視されていますが、子ども自身は「本の内容を全部正しく説明しなければならない」と錯覚しがちです。
さらに見落とされがちなのが、7〜8歳児特有の心理・認知的発達段階です。スイスの心理学者ジャン・ピアジェの理論が示す通り、小学2年生は「自己中心性」から徐々に「他者の視点」を理解し始める過渡期に位置しています。そのため、登場人物の内面描写が複雑すぎる長編小説や教訓色の強すぎる道徳本を与えられると、他者視点での共感が追いつかず、「おもしろかった」「すごかった」以外の語彙を完全に喪失してしまいます。
読書が苦手な子どもや文字を読むことに抵抗がある児童に対しては、活字ばかりの単行本ではなく、絵と文のバランスが取れた良質な絵本や幼年童話(絵童話)を選ぶことが最も確実なブレークスルーになります。