クリスタルキングの象徴といえば、何と言っても元ボーカルの田中昌之が見せた驚異的なハイトーンボイスだ。しかし、その稀代の歌声に突如として過酷な試練が訪れる。1989年、草野球の試合中に打球が喉を直撃するアクシデントが発生したのだった。
この不運な事故により、彼は声帯を激しく損傷。かつて「3オクターブのハイトーン」と称賛されたハイトーンボイスを一時的に失うという、歌手として絶望的な局面に立たされた。声が出ない苦痛と葛藤のなかで、彼は過酷なリハビリを重ね、中低音を中心としたハスキーで深みのある新たな歌唱スタイルへと変化を遂げていくこととなる。