建築としての魅力に加え、この場所は地球環境の歴史が大きく転換した現場でもある。1997年12月、地球温暖化防止京都会議(COP3)が開催され、温室効果ガス排出削減の法的拘束力を持つ国際協定「京都議定書」が採択された。
舞台となった「メインホール」に足を踏み入れると、天井高約16メートルの大空間に圧倒される。正面に掲げられた巨大な木製レリーフは、剣持勇と大谷幸夫の協働による音響と意匠の結晶だ。折り紙や行灯を想起させる幾何学的な照明器具が放つ柔らかな光が、緊迫した外交の場を包み込んできた。
徹夜の交渉の末、議長を務めたラウル・エストラーダ氏が木槌を打ち鳴らし、合意が成立した瞬間――。その歴史の重みが、客席のシートや同時通訳ブースの細部に至るまで今も静かに息づいている。