教室の黒板に向かってノートを取るだけの時代は、とうに終わったのかもしれない。同校の総合学習の時間では、生徒たちが自ら企画したプロジェクトに沿って、近隣の商店街や住宅地へと繰り出していく。彼らの手にあるのは、最新のタブレット端末とマイクだ。地域の長老たちから戦後復興期の摂津の様子を聞き取り、それを音声や映像で記録していく作業は、教科書に載っていない生きた歴史そのものである。
「最初は緊張したけれど、おじいちゃんたちが嬉しそうに話してくれるのが新鮮だった」と語る中学2年生の表情は明るい。単なる「お勉強」ではなく、誰かの役に立っているという実感が、生徒たちのモチベーションを底上げしている。