格式高いフランス料理のフルコースにおいて、左利きの方が最も悩むのが「カトラリーの配置」と「ナイフ・フォークの持ち方」です。現場の一流メートル・ドテル(給仕長)やホテルバンケットの現場基準に照らし合わせた正解を確認しておきましょう。
まず、テーブルに着いた時点でセットされているフランス料理のカトラリー配置を自分で勝手に左右逆に並べ替えるのはマナー違反とみなされます。テーブルセッティングはコース全体の芸術的な調和として設計されているため、着席直後にガチャガチャと音を立てて動かすのはスマートではありません。
正しいアプローチは、「料理が運ばれてきて、実際に口へ運ぶ瞬間に自然に持ち替える」ことです。通常、右側に置かれたナイフを左手に、左側に置かれたフォークを右手に取って肉や魚を切り分ける動作は、現代フレンチでは何の問題もありません。
ナイフで一口大に切った後、ナイフを皿の右上に置き、フォークを左手に持ち替えて口に運ぶ「ジグザグ・スイッチ(アメリカンスタイル)」も現代では広く浸透しています。ただし、「お肉を最初に全部一口サイズに切り刻んでから食べる」行為は、肉汁や温かさが逃げてしまうため明確なNG行為とされています。必ず「一口切っては一口食べる」テンポを保ちましょう。