ユーミンの人間性を語る上で外せないのが、同時代を駆け抜けた中島みゆきとの関係性です。メディアは長年、対照的な作風を持つ2人を「不仲」「宿命のライバル」として煽り立ててきました。しかし実際には、互いの才能を誰よりも高く評価し合う盟友関係にあります。
かつてユーミンは「みゆきさんのような情念の世界は私には書けない。だからこそ彼女は唯一無二」と語り、中島みゆきもラジオでユーミンの楽曲を絶賛するなど、陰口ではなく公の場で堂々と敬意を示し合ってきました。同業者への嫉妬に溺れず、優れた他者を真っ直ぐに認める姿勢は、自己の確立ができている人物ならではの成熟した知性を証明しています。
また、音楽プロデューサーである夫・松任谷正隆との関係も、彼女の自立した性格を物語っています。1976年の結婚以来、家庭内にとどまらず音楽制作の最前線で激しい意見の衝突を繰り返しながらも、互いを最高のパートナーとして尊重し続けています。依存し合うのではなく、プロフェッショナルとして対等にぶつかり合う関係を50年近く維持している事実は、精神的な自立心と寛容さの両立を物語っています。