経営面での成功と呼応するように、チーム力強化も綿密なグランドデザインのもとで進められました。DeNA体制における歴代監督のバトンタッチは、球団再建の各フェーズに完全に合致した人事だったと言えます。
第1フェーズを担ったのは中畑清監督(2012〜2015年)でした。長年の負け癖が染み付いていたチームに「ファンへの感謝」と「明るく前を向く姿勢」を叩き込み、メディア露出を通じてDeNAベイスターズの存在感を一気に引き上げました。続いて登板したアレックス・ラミレス監督(2016〜2020年)は、セイバーメトリクスやデータ分析を徹底導入。得点効率の最大化と投手の継投策を論理的に再構築し、球団史上初のクライマックスシリーズ進出や日本シリーズ進出(2017年)を果たし、「勝てる集団」へと脱皮させました。
そして2021年からチームを率いるのが、球団のレジェンド「ハマの番長」こと三浦大輔監督です。三浦監督は、先人たちが築いた意識改革とデータ戦術を土台に、生え抜き選手の結束と泥臭い勝負強さを注入しました。その結実が、2024年シーズンの「下剋上による26年ぶりの日本一奪還」です。球団史上、1960年の大洋ホエールズ(三原脩監督)、1998年のマシンガン打線(権藤博監督)に次ぐ、歴史上3度目の日本一達成という偉業を成し遂げました。
チームの躍進を支えたのが、選手年俸推移の劇的な上昇です。TBS末期の低迷期には、年俸総額で球界下位に低迷し主力選手のFA流出が止まりませんでした。しかしDeNAは黒字化によって得た潤沢な資金を選手補強と環境整備に再投資。ドラフト上位の若手育成、自社アナリティクス部門によるスカウティング精度の向上、さらに主力の長期引き留めや大型補強を可能にし、球界トップクラスの強固な戦力バランスを現在も維持しています。