食事を終えても、誰もすぐに立ち去ろうとはしない。縁側で風を感じながらお茶を飲んだり、店主や他の客と世間話を交わしたり、パソコンを開いて静かに仕事を始めたりする姿が見られる。
こうした空間は、地域住民と移住者、そして旅行者が自然な形で交差するハブとして機能している。地元の高齢者にとっては自慢の料理を振る舞い感謝される生きがいの場であり、都市部の若者にとっては第二の実家のような精神的アジトとなっているのだ。
近年の「多拠点生活(マルチハビテーション)」の定着に伴い、食堂を拠点にしてお試し移住を決める人も増えている。食を通じて地域の人柄や気候風土を知ることで、移住後のミスマッチが大幅に減るというメリットも生まれている。