暴行事件の舞台となったのは、西麻布にあるビル内の会員制バーだった。当時、若き大名跡の継承者として絶大な人気を誇っていた市川海老蔵は、連夜のように夜の街へ繰り出していたとされる。酒癖の悪さや破天荒な振る舞いは兼ねてより噂されていたが、その夜、決定的な衝突が起きた。
トラブルの相手となったグループの背後には、当時ストリートで異彩を放っていた半グレ集団「関東連合」の元幹部らの存在があった。酒の席での言葉遣いや態度を巡る口論がエスカレートし、事態は集団暴行へと発展。顔面骨折などの重傷を負った歌舞伎界のスターは自らタクシーで自宅へ戻り、警察への通報によって事件が明るみに出た。芸能界のみならず社会問題として拡大したこの騒動は、夜の街における芸能人とアウトロー集団との危うい距離感を白日の下に晒すこととなった。