労働の掛け声に過ぎなかった「ヨーホー」が、なぜ世界中で「海賊の代名詞」として知られるようになったのでしょうか。その決定打となったのが、イギリスの作家ロバート・ルイス・スティーヴンソンが1883年に発表した冒険小説『宝島(Treasure Island)』です。
作中で一本足の海賊ロング・ジョン・シルバーたちが口ずさむ不気味な歌に、次の一節が登場します。
「死人の箱に十五人、ヨーホーホー、そしてラム酒を一瓶!(Fifteen men on the dead man's chest—Yo-ho-ho, and a bottle of rum!)」
この強烈なフレーズが大ヒットしたことで、「ヨーホーホー」という語感と「海賊」「ラム酒」のイメージが完全に結びつきました。過酷な労働歌だったフレーズが、フィクションの力によって「不敵で危険な海賊たちの合言葉」へと再定義された瞬間です。