かつて毎夜のようにナイターを全国中継していた日本テレビ放送網やフジテレビジョンなど民放各局の姿勢は、ここ数年で大きな変革期を迎えた。視聴率至上主義からコア視聴層の獲得、さらには配信事業とのハイブリッド展開へと舵を切っているのだ。
日本テレビ放送網は読売ジャイアンツの主催試合を中心に、BS日テレやCS放送の「日テレジータス」、配信プラットフォームと連動させた重層的な中継網を敷く。一方のフジテレビジョンもヤクルトスワローズ戦などを地上波とCS「フジテレビONE」で巧みに棲み分け、コアなファン層を取り込む編成に注力している。
特筆すべきは日本放送協会(NHK)の存在感だ。BSだけでなく総合テレビでのゴールデンタイム中継枠を要所で確保し、試合終了まで完全生中継を貫くスタイルは野球ファンからの信頼が厚い。コマーシャルによる中断がなく、投手の1球ごとの息遣いや捕手のサインプレーまで丹念に拾い上げる中継クオリティは、公共放送ならではの強みとして際立っている。