公明党と中国のパイプはなぜ強固か?親中派の真相と連立の行方

公明党と中国のパイプはなぜ強固か?親中派の真相と連立の行方

公明党と中国のパイプはなぜ強固か?親中派の真相と連立の行方について専門的な視点から解説いたします。最新の情報をご確認ください。

公明党が政界屈指の対中チャンネルを誇る背景を理解するには、50年以上前の冷戦期まで時計の針を巻き戻す必要があります。すべての原点は、公明党の支持母体である創価学会の第3代会長・池田大作氏が1968年9月8日に行った「日中国交正常化提言」にあります。

当時、日本政府は台湾(中華民国)を正統政府として承認しており、中国本土(中華人民共和国)との国交樹立を唱えることは政界において極めて異端であり、命がけの主張でした。そのなかで池田氏は、学生約2万人が集まる第11回学生部総会の壇上から「中国の国連加盟を承認し、国交を正常化し、貿易と人的交流を推進すべきだ」と公然と提言したのです。この宣言は北京の周恩来総理に直接伝わり、中国首脳部に衝撃を与えました。

さらに決定打となったのが、1972年の竹入義勝公明党委員長(当時)による訪中です。竹入氏は周恩来総理と連日膝を交えて極秘協議を行い、いわゆる「竹入メモ」を作成しました。賠償金請求の放棄を含む中国側の譲歩条件を持ち帰った竹入メモは、直後の田中角栄首相による電撃訪中と1972年9月の日中国交正常化共同声明の決定的な下敷きとなりました。

中国の外交文化には「飲水不忘掘井人(水を飲むとき、井戸を掘った人を忘れない)」という有名な格言があります。中国共産党にとって、創価学会および公明党はまさに「国交正常化という巨大な井戸を最初に掘ってくれた恩人」なのです。この半世紀以上にわたる道義的・歴史的な恩義の共有こそが、歴代の党首交代を経ても決して切れることのないパイプの強固な土台となっています。

清水 千尋
著者

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。