捜査当局および法廷での審理において最大の焦点となっているのが、名士として順風満帆に見えた丸山被告が「なぜ妻を手に掛けるに至ったのか」という犯行動機の解明です。検察側が明らかにした背景には、華やかな表の顔とは裏腹な、深刻な経済的困窮と泥沼化した私生活の実態がありました。
第一の要因として挙げられたのが、複数の女性との不適切な交際関係(愛人問題)です。丸山被告は議員活動や青年会議所活動の裏で複数の女性と関係を持っており、そのうち特定の女性に対しては将来の再婚を匂わせる約束まで交わしていたとされています。希美さんとの婚姻関係を清算したいという身勝手な願望が強まる一方で、自民党公認の現職県議という立場上、スキャンダルを伴う離婚調停は自身の政治生命を致命的に脅かすリスクを孕んでいました。
第二の要因が、家業である「笑亀酒造」の深刻な経営難と巨額の債務です。被告は先代から引き継いだ酒蔵の代表取締役を務めていましたが、日本酒の需要低迷や放漫な資金繰りにより、会社および個人として数千万円規模の負債を抱えていました。希美さんは酒蔵の実務を支え、被告の金銭感覚や女性問題に対して厳しく苦言を呈していたと報じられています。
検察側は、「社会的地位と名声を維持したまま、巨額の負債と家庭の束縛から逃れ、自由な女性関係と保険金等による経済的再建を図るために妻の殺害を決意した」と動機を厳しく指弾しています。