CMやテレビドラマの端役からキャリアをスタートさせた彼女にとって、13歳という年齢は単なる通過点ではなかった。子役としての可愛らしさを求められる大人の要求に対し、彼女が見せたのは圧倒的な「個」の存在感だった。当時の撮影スタッフが証言する秘話がある。待ち時間、他の子供たちがはしゃぐ中でも、彼女はただ一人静かに台本を見つめ、役の感情線に没入していたという。
作り込まれたセリフ回しではなく、その場に漂う空気そのものを吸収するような演技スタイル。大人の顔色を窺う子役特有の器用さとは一線を画すその姿勢こそが、後の女優としての原点となった。演技を「見せる」のではなく「そこに存在する」こと。13歳にしてその本質を体得していた事実は、いま振り返っても驚嘆に値する。