漫画家・まの瀬先生が2019年から2026年にかけて『コミック百合姫』で連載した『きたない君がいちばんかわいい』は、単行本全5巻(全28話)で完結を迎えた長編百合漫画です。百合というジャンルが持つ従来の清純さや叙情的なイメージを根底から覆し、「フェティシズム」「加虐と被虐」「精神的束縛」を極限まで突き詰めた作風は、連載第1話の掲載直後から読者に巨大な衝撃を与えました。
本作の基本あらすじは、一見すると対照的な二人の女子高生の関係性を軸に展開します。
- 花崎ひなこ(はなざき ひなこ):周囲に気を配り、スクールカースト上位のグループに属する明るい美少女。しかし内面には強烈な自己肯定感の低さと孤独を抱えており、「誰かに必要とされたい」という痛切な渇望を持っています。
- 蔵城愛莉(くらしろ あいり):品行方正で成績優秀な学級委員長タイプの優等生。しかしその本性は、ひなこに対して病的な執着を抱き、彼女が汚され、苦痛に歪む姿にしか至高の美と愛情を見出せない重度のサディストです。
二人は放課後の人気のない理科準備室で、誰にも言えない秘密の「ごっこ遊び」を繰り返していました。愛莉はひなこに対し、ゴミを食べさせる、嘔吐を強要する、衣服を汚すといった凄惨な命令を下し、ひなこは自らの尊厳を差し出すことで愛莉からの「愛と独占」を実感します。この背徳的な関係性が、周囲の人間関係を巻き込みながら取り返しのつかない破滅へと転落していくプロセスが描かれます。