「散歩中に何度もマーキングをするようになった」「トイレシートの上に何度も行くのに、ほんの数滴しか排尿できていない」。こうした状況を目にしたとき、犬が頻尿で何度もトイレに行く理由の大半は、膀胱粘膜の炎症によって引き起こされる知覚過敏にあります。炎症を起こした膀胱は、微量の尿が溜まっただけでも強い尿意の信号を脳へ送り続けるため、犬自身は「尿を出したい」という衝動に絶えず襲われているのです。
飼い主が警戒すべき犬の膀胱炎の初期症状は、明らかな血尿が出る前段階に現れます。具体的な兆候として以下の変化が挙げられます。
- 排尿姿勢をとる頻度の急増:1回の散歩で十数回も腰を下ろすが、尿はほとんど出ない、またはポタポタと垂れる程度。
- 陰部を過剰に舐め続ける:尿道口の違和感や残尿感、痒み・灼熱感を紛らわすため、執拗に下腹部をグルーミングする。
- 粗相(おもらし)の発生:トイレトレーニングが完了していた成犬が、我慢できずに寝床やリビングで排尿してしまう。
- 尿の臭いと濁りの変化:尿がツンとした強いアンモニア臭を放ち、透明感が失われて白っぽく濁る。
さらに見逃せないのが、犬の膀胱炎で排尿時に痛がるサインです。排尿の瞬間に「キャン」と甲高い声をあげるだけでなく、背中を不自然に丸めて硬直したり、排尿後に落ち着きなく室内をうろうろと歩き回る動作は、強い排尿時痛が生じている明らかな証拠といえます。