「顔の印象を変える最大の要因は、実は目元ではなく口元の位置関係にあります」—東京都内の審美矯正専門クリニックで院長を務める歯科医師はそう語る。鼻の頭と顎の先を結んだ直線「Eライン(エステティックライン)」の内側に唇が収まる状態は、現代の美的基準において理想的な横顔とされる。
いわゆる「出っ歯(上顎前突)」や「受け口(下顎前突)」、あるいは口元全体が前に出ている「口ゴボ」の状態では、このEラインから大きく唇がはみ出してしまう。歯列矯正によって前歯を数ミリ奥へ下げるだけで、口元が引き締まり、鼻が高く見えたり顎のラインがくっきりと浮かび上がったりする効果が生まれる。この骨格的な陰影の変化こそが、周囲に「雰囲気がガラリと変わった」「美人になった」と強烈に印象づける最大のカラクリだ。