1995年のジャンプ連載から約30年が経過した現在も、なぜ「だが断る」の鮮度は失われないのでしょうか。ネットカルチャーの変遷を辿ると、テキストサイト黎明期から現代のSNSに至る明確な生存戦略が見えてきます。
2000年代初頭の「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」において、このセリフはアスキーアート(AA)とともに爆発的に普及しました。「有利な提案をされたスレ主が、あえてそれを蹴ってカオスな道を選ぶ」というスレッドの展開で多用され、掲示板ユーザーの共通言語となったのです。さらにニコニコ動画のMADカルチャーや、アニメ放映時(2016年)のTwitter(現X)におけるリアルタイム実況トレンド入りを経て、世代交代を繰り返しながらミームとしての地位を固めました。
構文としての強みは、「YESと思わせておいての落差」にあります。「一度相手の土俵に乗ったふりをして期待を高め、直後にゼロ距離から突き落とす」という会話のジェットコースター構造が、短文中心の現代コミュニケーションに完璧にフィットしているのです。