オリビアの代名詞ともいえる「フィジカル」ですが、インターネット上では「単なる爽やかなエクササイズソング」と誤認されることが少なくありません。しかし当時の実態は、きわめて過激なスキャンダルを巻き起こした曲でした。
歌詞に含まれる露骨な性的ニュアンス(「肉体的な関係を持とう」という示唆)に対し、アメリカの保守的な地域やソルトレイクシティなどの一部ラジオ局では放送禁止措置が取られました。清純派の優等生イメージを愛していた初期からのファン層からは強い反発の声が上がり、オリビア自身も曲が完成した直後は「やりすぎたかもしれない。リリースを止めてほしい」とマネージャーに懇願したという逸話が残されています。
そこで彼女が考案したのが、「ジムで汗を流すコミカルなミュージックビデオ」に仕立てるアイデアでした。男性たちがエクササイズに励むユーモラスな映像で性的暗示を中和させ、結果としてMTV時代の幕開けと見事に共鳴。全米チャート10週連続1位という歴史的メガヒットへと昇華させたのです。