仕組みはシンプルだ。利用者は店に入る際、専用のアプリでチェックインする。支払うのはお金ではなく、自身の「アテンション(関心)」と「データ」だ。
店内には大手飲料メーカーの試作品や、地方スタートアップが開発したヴィーガンスイーツが並ぶ。利用者はこれらを自由に試飲・試食できる代わりに、アプリを通じて簡単なフィードバックを送る。あるいは、店内のディスプレイに流れる新製品の映像を数分間眺める。これだけで、コーヒー1杯の代金はスポンサー企業によって全額カバーされるのだ。
「タダより高いものはない」という警戒感は、今の若者には薄い。むしろ、自分の意見が商品開発に直結するプロセスを楽しんでいる。企業側にとっても、購買意欲の高いターゲット層からダイレクトに生の声を集められるため、従来のテレビCMやネット広告よりも費用対効果が極めて高いというメリットがある。