アニメにおけるヒーロー像は、この10年で大きく変化した。かつての「無敵で無傷の主人公」は敬遠され、挫折を知り、泥にまみれながらも皮肉を言うような人間臭いキャラクターが支持されている。杉田智和が演じるキャラクターの多くは、まさにこの現代的ヒーロー像の先駆者だった。
彼の声の最大の武器は、低音の響きの中に潜む「脱力感」と「知性」の絶妙なバランスだ。シリアスな戦闘シーンから、一瞬でギャグシーンへと切り替わるあの独特の間合い。これは言語の壁を越え、字幕翻訳を通しても海外のファンにダイレクトに伝わる「演技のテンポ感」を持っている。