彼女の歩みは、日本のレコード産業の変遷そのものでもある。東芝EMI(現ユニバーサル ミュージック ジャパン)時代に打ち立てた金字塔のようなセールス記録から、活動休止を経てエピックレコードジャパン(ソニー・ミュージックエンタテインメント)への移籍。このレーベルの転換は、彼女により強固なクリエイティブの主導権をもたらした。
メジャーレーベルの強大なプロモーション力を活かしつつも、作品の根幹にあるインディペンデントな精神性は一切損なわれていない。巨大な資本と個人的な芸術衝動のバランスをこれほど巧みに保ち続けているアーティストは、音楽業界全体を見渡しても極めて稀だ。タイアップやセールス目標に縛られず、自分が今描くべきビジュアルや音像を妥協なく追求できる環境が、彼女の表現を研ぎ澄ませてきた。